各店舗の営業成績は、いろんな要因によって決定されます。例えば、場所的要因、時期的要因といった客観的な要因と、人的要因、店内の雰囲気や清潔感といった主観的な要因です。このうち、後二者に関して、顧客の満足度を調べるために有効な手段の一つに、覆面調査というものがあります。覆面調査とは文字通り、知らない顔をして、店舗の状況や店員の顧客に対する態度を調査するマーケティングリサーチです。調べるポイントをあらかじめ明記した調査用紙にしたがって、店舗内の清潔感や商品や製品の陳列の仕方、店員の接客態度などを主観的、客観的に調査します。主観的に、というのは、一人の個性を持った顧客として、自分ならばどのような評価を下すかという観点に基づいて調査をします。他方、客観的に、というのは、一般的な平均的顧客が常識的に感じ取る感覚で持って、店内の状況や定員の態度を調査するものです。
顧客満足度調査としての覆面調査には、ルールやマナー上で注意したい点があります。覆面調査はただ調査すれば良い、というものではありません。いかにも調査していますという態度で臨むことはご法度です。あくまでも一顧客としての態度で調査を行うことが大切なのです。店内の隅々まで細かく調査していますという態度はもちろん、どこかおかしな点はないかという粗探しのような態度で臨むことは調査員としての態度としては失格だと言わざるをえません。大切な点は、その店舗の客観的に不足している点を探り出すことですが、あくまで顧客になり切った態度で臨み、店員に嫌な思いをさせないようにすることが大切です。いかにも調査員ですという態度ではなく、顧客の視点を忘れないように態度が覆面調査の場合には大切なのです。また、調査員ということがわかるような行動をとってしまうと、店員が普段の態度とは異なる態度をとったり、また、まずそうに見える店舗内の場所を急いで清掃したり、片付けてしまうといったことになるなど、調査結果に影響をもたらすことになりかねません。調査細目は細かいので覚えきれないなどの場合に、調査用紙を店内に持ち込んで、こっそりと記入するような態度もご法度です。どんなに隠そうとしても調査用紙を小脇に抱えて調査を行う場合には、相当慣れていないと、店員の目には不自然な動きや態度だとみてとれる可能性が高いからです。これも調査マナーとしては避けたいところです。